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法令上の制限 [過去問]/肢別過去問集 P.26 問9〜12
yomotara 2020-06-21 13:14:43
瀧澤先生、よろしくお願いします。
法令上の制限のにおいて肢別過去問集のP.26 問9〜12の問題文で
『都道府県知事(市の区域内にあっては、当該市の長)の許可を受けなければならない』
となっていますが、テキストには具体的に書かれておらず、間違いかと思いました。
ここでは市の区域内になっていますが、『町の区域内』となった場合は当該町の長の許可となるのでしょうか。
yomotaraさん、こんにちは。
〉ここでは市の区域内になっていますが、『町の区域内』となった場合は当該町の長の許可となるのでしょうか。
なりません。
基本テキストP318に記載の通り、都市計画事業の認可等の告示があった後、都市計画事業を施行する事業地内で都市計画事業の施行の障害となるおそれがある土地の形質の変更等を行おうとする者は、「都道府県知事等」の許可を受けなければなりません(都市計画法65条)。
そして、この場合の「都道府県知事等」とは、原則として都道府県知事を、ただし市の区域内にあっては当該市の長を意味します(都市計画法26条1項)。
したがって、町の区域内の場合も都道府県知事の許可となります。
ところで、都市計画事業制限について規定している都市計画法65条が「都道府県知事等の許可」と規定しているにもかかわらず、なぜ問題文ではあえて「都道府県知事(市の区域内にあっては、当該市の長)の許可」という表記で出題しているか、お分かりになりますか?
これは、「都道府県知事等の許可」と法の建前通りに出題すると、実務に通じている人が間違える可能性があるからです。
というのは、「都市計画事業を施行する事業地」は、多くの場合「市の区域内」に存在しています。
ですから、都市計画事業を施行する事業地内で土地の形質の変更等を行う場合、通常は都道府県知事の許可ではなく市長の許可が必要となります。
そのため、「都道府県知事等の許可」として出題すると、実務に精通している人≒宅建資格を何としても取得しなければならない人が間違える可能性があるのです。
言わば、法の建前と実務が食い違っているのです。
そのため、このような表記にして実務に精通している人が、間違えないように配慮して出題しているのです。
宅建試験は、不動産業界で働いている方の合格率が低いのが、業界の昔からの悩みの種ですからね。
裏返すと、「市の区域内にあっては当該市の長の許可」となることを知っているかどうかを試すために、このような表記で出題しているわけではないのです。
したがって、テキストには法の建前通りに「都道府県知事等の許可」としか記載していないのです。
そこまで出題者の意図を考えてテキストの表記を選んでいるんですよ。
たしかに、問題文に「都道府県知事(市の区域内にあっては、当該市の長)の許可」と書いてあると、最初はギョッとしますが、それは最初だけです。
「都道府県知事等」を厳密に表記するとそうなるのだな、という程度に受け流してください。
タキザワ宅建予備校 講師 瀧澤宏之
参考になった:1人
nobori_ryu 2020-06-20 00:10:31
瀧澤先生、丁寧な説明をいただき大変勉強になりました。
法の建前と実務の食い違いによるものとは存じませんでした。
ありがとうございました。
yomotara 2020-06-21 13:14:43