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権利関係/請負契約における担保責任の存続期間
yu_____to 2020-06-28 05:05:32
はじめまして。
請負契約における担保責任の存続期間について質問です。
民法637条の条文では、
「注文者は、原則として不適合を知った時から1年以内に通知をすれば、担保責任を追及することができる」といった規定があります。
また、民法166条の条文では、
「債権の消滅時効は、債権者が債権を行使できることを知った時から5年又は権利を行使できる時から10年」といった規定があります。
これをもとに、請負契約における担保責任の存続期間を考えた場合、
「注文者は不適合を知った時から1年以内に通知しなければ担保責任を追及することができない。また、担保責任を追及できるのは、目的物の引渡しを受けてから10年に限る。」
という解釈で間違いないのでしょうか?
yu_____toさん、こんにちは。
〉「注文者は不適合を知った時から1年以内に通知しなければ担保責任を追及することができない。また、担保責任を追及できるのは、目的物の引渡しを受けてから10年に限る。」
〉という解釈で間違いないのでしょうか?
論理的に考えれば、完成物の引渡しを要する請負契約において、目的物の品質に契約不適合があった場合における損害賠償請求権については、消滅時効の規定が適用され、引渡しの時から10年で損害賠償請求権は消滅するという解釈は十分成り立ち得ます。
売買の瑕疵担保責任について、同趣旨の判例(最判平13.11.27)があるからです。
しかし、yu_____toさんの考えが間違いないかどうかは断言できません。
なぜなら、判例は、あくまでも「売買」の「瑕疵担保責任」の「損害賠償請求権」に関する判断に過ぎないからです。
逆に言うと、「請負契約」における「契約不適合責任」の「責任全般」について、消滅時効が適用されるとする最高裁判例はないからです。
また、請負契約には完成物の引渡しを要しない場合もあり、「担保責任を追及できるのは、目的物の引渡しを受けてから10年に限る。」とする考え方が、全ての請負契約に当てはまるわけでもありません。
なお、明確な法的根拠がない以上、宅建試験でこのような問題が出題される可能性はありません。
したがって、宅建試験対策としては、これ以上の深入りは不要です。
タキザワ宅建予備校 講師 瀧澤宏之
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nobori_ryu 2020-06-27 23:20:11
瀧澤先生
迅速且つ、とてもご丁寧な解説をしていただきましてありがとうございます。
過去問の解説を読んでスッと理解が出来ず、六法を取り出して深入りして頭がパンクしておりました。
深入りは禁物ですね…
改めてその問いを見ると、その過去問の出題意図は、おそらく債権の消滅時効についての理解を問う問題でありました。
ですから、ここでは、
「債権の消滅時効は、知った時から5年、権利を行使することができる時から10年」
というポイントをしっかり押さえておこうと思います。
とてもわかりやすく解説をして頂きましてありがとうございます。
yu_____to 2020-06-28 05:05:32