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takikarayobihe20さん、こんにちは。

色々とご自身で思索を巡らせたんですね。大変、良いことかと思います。
ただ、頭の中がカオスな状態になってしまった(笑)原因は、2つの問題をごちゃ混ぜにしてしまったことにあると思われます。

すなわち、本問の設例のようにAがDに賃貸している甲土地をBに売却した場合、
①甲土地を取得したBがDの賃借権を否定できるかどうか(言い換えると、Dが賃借権をBに対抗できるかどうか)という問題と、
②Dの賃借権を否定できない場合に、Bが甲土地の所有権や賃貸人の地位に基づく様々な権利をDに対して主張するためには、所有権移転登記を具備する必要があるかどうかという問題が生じます。

①について
賃貸借の目的物が第三者に売却された場合、takikarayobihe20さんがおっしゃる通り、「売買は賃貸借を破る」のが民法の原理・原則です。
したがって、賃貸借の目的物の所有権を取得した第三者は、賃借権を否定できる(言い換えると、賃借人は賃借権を目的物を取得した第三者に対抗できない)のが原則です。
しかし、民法は不動産の賃貸借について例外を認めており、不動産の賃借人が賃借権を登記したときは賃借権を第三者に対抗できる旨規定しています(605条)。したがって、本問の場合もDの賃借権が登記されていれば、BはDの賃借権を否定することはできません。ただ、本問ではDが賃借権を登記しているかどうかについては明記されていません。
また、借地借家法10条も「借地権者が土地上に登記されている建物を所有するとき」は、借地権(賃借権)を第三者に対抗できる旨規定しています(10条)。
本問のDは、「甲土地上にD名義の登記ある建物を有する」ので、借地借家法10条により賃借権をBに対抗することができます。
したがって、BはDの賃借権を否定することはできません。
なお、建物の賃貸借の場合も建物の引渡しを受けることで賃借権を第三者に対抗できる点をお忘れなく(借地借家法31条)。

〉「売買は賃貸借を破る」ためには、買主(=新所有者)は「登記」が必要か?

上に記載したとおり、「売買は賃貸借を破る」ためにBが登記を具備する必要はありませんが、賃借人Dが賃借権を登記していたり借地上に登記された建物を所有していると、売買は賃貸借を破れないことになります。

②について
本問は、Dの賃借権がBに対抗することができるものであることを前提に、Bが登記なくして自らが甲土地の所有者であることをDに主張することができるかどうかを問うものです。
そして、最判昭49.3.19を始めとする判例は、賃借人を177条の「第三者」に該当するとして、賃貸借の目的不動産の所有権を取得した者は、所有権移転登記がなければ所有権や賃貸人の地位に基づく様々な権利を賃借人に対して主張することはできないとしています。
なお、最判昭49.3.19を始めとする判例は、2020年4月1日施行の改正民法により条文化されています。
民法605条の2第3項をご確認ください。

タキザワ宅建予備校 講師 瀧澤宏之

参考になった:11

nobori_ryu 2020-11-14 13:17:50

瀧澤先生、ありがとうございます!

分かりづらい質問だったので、こんなに早くご回答いただけるとは思いませんでした、本当にありがとうございます!

特に返信4行目以降の、問題点を➀と②に分離するということで、モヤモヤが晴れました。ほぼ独学で勉強しているので、瀧澤先生から直接ご回答いただけて嬉しかったです。引き続き頑張っていこうと思います。ありがとうございました!

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takikarayobihe20  2020-11-15 11:08:59



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