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tommy67さん、こんにちは。

AB間の売買契約における売主Aを例にすると、Aに「売りたい」という気持ち(内心的効果意思と呼びます)があるかないかです。

虚偽表示、心裡留保、錯誤により「売ります」という意思表示を行ったAには、「売りたい」という内心的効果意思がありません。したがって、いずれも意思表示は無効となります(ただし、心裡留保は相手方保護のため、原則として有効となり、一定の要件を充足する場合のみ無効)。

一方、詐欺、強迫により「売ります」という意思表示を行ったAには、騙されたにせよ、脅されたにせよ、「売りたい」という内心的効果意思が認められます。したがって、意思表示は有効ですが、「売りたい」という気持ちの形成過程に瑕疵があるので、取消しが認められるのです。

また、意思能力がない者は、有効な内心的効果意思を形成する能力がないため、意思表示は無効となります。

ちなみに、いったん契約したら守らなければならないという民法の大原則も、内心的効果意思から説明がつきます。
すなわち、AとBは誰からも強制されることなく、自由な立場で自ら「売りたい」「買いたい」という内心的効果意思を形成して契約を締結したのだから、その契約に拘束されることになる。

以上、意思表示に関する基礎理論を極めて簡潔にまとめました。
この説明で理解が難しければ、諦めて暗記してください(笑)

なお、先日成立した改正民法では、錯誤は「無効」から「取消し」に変わります。この点を、どう理論的に説明するのかは不明です。

瀧澤

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nobori_ryu 2017-06-12 11:35:30

ご回答ありがとうございました。
とてもとてもスッキリしました。
内心的効果意思が認められるか否かで、取消しか無効かになるのですね。
ご教授ありがとうございました。

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tommy67  2017-06-12 12:29:47



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