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権利関係 [過去問]/債権者の過失と債務者の主張
selubou 2021-03-16 08:48:45
平成14年試験
Bが、Aの過失を立証して、過失相殺の主張をしたとき、裁判所は損害額の算定にその過失を考慮することができる。”
平成22年試験 問6
債務の不履行に関して債権者に過失があったときでも、債務者から過失相殺する旨の主張がなければ、裁判所は、損害賠償の責任及びその額を定めるに当たり、債権者の過失を考慮することはできない。”
上の問題では主張をする必要があるという理由で正解で
下の問題では主張をする必要はないというか理由で誤りでした。
これは何が違うのでしょうか。
selubouさん、こんにちは。
平成14年の問題の問題番号を示してください。
宜しくお願いいたします。
タキザワ宅建予備校 講師 瀧澤宏之
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nobori_ryu 2021-03-13 17:26:05
民法418条は、債務不履行において債権者に過失があったときは、裁判所はその過失を考慮して損害賠償の責任と額を定めなければならない旨規定しています。
裁判所は債権者の過失を考慮しなければならないわけですから、債権者の過失を考慮することが「できる」としている平成14年問7選択肢2は誤りです。
また、裁判所は債務者が過失相殺の主張をするかどうかに関係なく、債権者の過失を考慮しなければならないので、平成22年問6選択肢4も誤りです。
タキザワ宅建予備校 講師 瀧澤宏之
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nobori_ryu 2021-03-15 01:56:52
14年問7は誤っているのはどれか。という問題で、3が誤りで、2は正しいになっていました。
ちなみに3は
裁判所は、賠償額の予定の合意が、暴利行為として公序良俗違反となる場合でも、賠償額の減額をすることができない。”
という内容です。
selubou 2021-03-16 02:20:22
失礼しました。ちょっと早合点してしまいました(汗)
平成14年問7選択肢2は、選択肢だけ読んでいてはダメなんですね。問題文に大切な情報があるのを見落としていました。
本問は問題文に、Aが損害賠償額の予定に基づいてBに対して損害賠償を請求していることが明記されています。
出題の意図は、損害賠償額の予定があるにもかかわらず、Bが過失相殺の主張をした場合に裁判所が過失相殺によって損害賠償額の減額ができるかどうかです。
過失相殺によって、損害賠償の減額ができるので正しいことになります。
ただ、この問題の出題の意図は、現在はほぼ失われています。
出題当時、損害賠償額の予定がある場合には裁判所といえどもその金額を増減することはできない旨が民法に明記されていました。
にもかかわらず、過失相殺を根拠にすれば損害賠償額を減額できるとするのが判例で、その知識を問うているのが平成14年問7選択肢2です。
しかし、昨年4月から施行された改正民法により、損害賠償額の予定がある場合にその金額を増減できない旨の規定は削除されました。
そのため、判例としての意義も出題の意図も、現在ではほぼ失われており、そういう意味では、今後、出題される可能性の低い選択肢です。
なお、債務不履行において債権者に過失がある場合は裁判所はそれを「考慮しなければならない」のに対して、不法行為において被害者に過失がある場合は裁判所はそれを「考慮することができる」となっていて、過失相殺するかどうか判断の余地が裁判所に与えられています。そして、その点が、債務不履行における過失相殺と不法行為における過失相殺の差異として知られています。
先の回答は、その点が問われていると早合点したものです。訂正してお詫び申し上げます。
タキザワ宅建予備校 講師 瀧澤宏之
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nobori_ryu 2021-03-16 08:51:10