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wakaさん、こんにちは。

無過失は必要ありません。
では、なぜなのか。実は結構深い~話で、他の分野の理解にもつながるので少し詳しく説明します。

まず、民法を学習しているとしょっちゅう登場する、「善意でなければダメ」とか、「善意・無過失を要する」といった要件を主観的保護要件と呼びます。
この主観的保護要件は、どの程度強い主張をしようとしているかという点と相関関係があります。

たとえば、表見代理や無権代理人への責任追及は、いずれも相手方から本人または無権代理人に対して責任を追及していくものです。そうである以上、責任を追及する側(相手方)も襟を正していることが求められます。そのため、相手方にも善意・無過失という最も厳しいハードルが課されることになります。

一方、取消権は誰かに責任を追及する類の制度ではありません。しかし、取消権の行使によって現状を変更することにはなります。そのため、ほどほどの要件を、ということで、相手方には善意という要件が課されますが、無過失は不要とされているのです。

ちなみに、催告権は悪意でも行使できます。催告権は誰かに責任を追及するわけでもなければ、現状を変更するわけでもないので、相手方に厳しい要件を課す必要がないからです。

ということで、代理で登場する主観的保護要件を例に挙げて説明しましたが、これは代理だけに当てはまる話ではありません。
意思表示をはじめ、他の制度でも主観的保護要件は権利を主張する側と主張される側のバランスをとる役割を果たしています。
そういう視点で主観的保護要件を見ていくと、民法全体の理解も深まると思いますよ。

瀧澤

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nobori_ryu 2017-08-09 22:25:44



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